2026年11月5日木曜日

謎のシャープ

ダングルベールの組曲ト長調のシャコンヌ・ロンドー、添付楽譜の最後の小節のバス声部に2分音符がある。
バス声部は第五線がファになるのでこの2分音符はシになる。
その音符にシャープが書かれている。
シを半音上げるとドになるが、そうすると直前の音と同じになってしまう。
実際に弾いてみるとここは半音上げずにシで弾かないとおかしなことになる。
ではこのシのシャープは何なのか。
色々調べたが謎のままである。



2026年11月3日火曜日

ダングルベール 組曲ト長調 第2ジーグ

簡単な曲なのに全然弾けるようにならなくて絶望してる。
私は楽器演奏に向いてないのだろうか。




ダングルベールの組曲ト長調の Chaconne Rondeau について (Gemini)

17世紀後半のフランス・クラヴサン楽派において、ジャン=アンリ・ダングルベールの《組曲 ト長調》に収められた〈シャコンヌ・ロンドー(Chaconne en rondeau)〉は、本来異なる2つの構造原理であった「シャコンヌ」と「ロンドー」が融合した、当時の様式美を象徴する作品です。

まずはこの時代における両者の基本的な成り立ちと、それらがどのように結びついたのかを整理します。

1. 17世紀フランスの「ロンドー形式(Rondeau)」

当時のクラヴサン音楽におけるロンドーは、中世・ルネサンスの詩形(ルフランを持つ定型詩)に由来し、「不変の主題」と「変化する挿入句」の対比を軸とする形式です。

  • グラン・クプレ(Grand couplet)またはロンドー(Rondeau): 曲の冒頭に置かれる主題部分(ルフラン)です。通常は8小節(または4小節)の完結した楽節で、常に主調(この曲ではト長調)で奏され、終止します。

  • クプレ(Couplets): 主題と主題の間に挟まれるエピソード部分です。17世紀の楽譜では、これら挿入される各節のことを「クプレ(第1クプレ、第2クプレ…)」と呼びます。クプレは主題と異なる旋律・和声の動きを持ち、属調(ニ長調)や平行調(ホ短調)などの近親調へ転調したり、音域やテクスチュア(声部の厚みやリズム)を変化させたりして彩りを添えます。

  • 構造の進行: 基本的に「A(主題)- B(第1クプレ)- A - C(第2クプレ)- A - D(第3クプレ)- A…」という形で進行します。楽譜上では、各クプレの終わりにダ・カーポに相当する記号(リピート記号やフェルマータ、あるいは主題の冒頭音を示すキュートなど)が記され、毎回冒頭のグラン・クプレへ戻る仕組みになっています。

2. 17世紀フランスの「シャコンヌ(Chaconne)」

もともと16世紀末に新大陸(スペイン植民地)からスペインやイタリアへ伝わったエネルギッシュな舞曲が起源ですが、17世紀半ばにフランスへ導入されると、宮廷バレエ(バレ・ド・クール)やリュリのオペラ(音楽悲劇)の終幕を飾る、威厳と気品を備えた長大な器楽舞曲へと洗練されました。

  • 拍子とリズム: 緩やかで堂々とした3拍子(主に3/4拍子、あるいは「3」の拍子記号)で書かれます。最大の特徴は「第2拍に重み(付点や和音の厚み)が置かれること」と、第2拍から第3拍、あるいは小節をまたいで第1拍へと向かう推進力です。

  • 本来の構造(変奏形式): イタリアのチャッコーナと同様、本来は4小節または8小節の定型バス(バッソ・オスティナート:主音から属音へ順次下降するバスなど)の反復の上に、次々と異なる変奏を積み重ねていく連続変奏形式でした。

  • パッサカユ(Passacaille)との違い: 当時のフランスでは両者は非常に近い関係にありましたが、一般的にシャコンヌは「長調」で書かれることが多く(短調へ転じる中間部を持つこともある)、明るく祝祭的・開放的な性格を持つのに対し、パッサカユは「短調」が多く、より内省的で重厚、厳粛な情緒を帯びる傾向がありました。

3. 「ロンドー形式によるシャコンヌ」への融合

ルイ・クープランやシャンボニエール、そしてダングルベールの時代になると、フランス独自の美学として、「シャコンヌの持つ舞曲のリズム・威厳」を「ロンドーの明快な反復構造」の枠組みに収める手法が盛んに用いられるようになりました。

本来のオスティナート変奏によるシャコンヌは、果てしなく変奏が連なっていくためダイナミックな高揚感を生む反面、クラヴサン独奏では構造が散漫になりやすい面もありました。そこにロンドー形式を導入することで、次のような効果が生まれました。

  1. 求心力の確保: 特徴的な8小節のシャコンヌ主題(グラン・クプレ)へ何度も立ち返ることで、聴き手にも奏者にも明確な帰結点(アンカー)が生まれます。

  2. クプレにおける自由度の拡大: 主題回帰が保証されているため、間に挟まれる各クプレでは、固定されたバス進行に縛られず、流れるような8分音符のディヴィジョン(細分化)、リュート風のスティル・ブリゼ(分散様式)、あるいは対位法的な模倣など、クラヴサン特有の書法を自在に展開できるようになりました。

ダングルベールの《組曲 ト長調》のシャコンヌは、まさにこの「シャコンヌ・ロンドー」の頂点とも言える作品で、1689年の出版譜(『クラヴサン曲集』)に収められています。堂々とした和音と緻密な装飾音(アグレマン)に満ちた主題(グラン・クプレ)と、徐々に動きや表情を変えていく複数のクプレが見事な均衡を保っています。

ダングルベールの組曲ト長調 楽曲構成 (Gemini)

ダングルベールの『クラヴサン曲集(Pièces de clavecin)』(1689年出版)に収められた第1組曲(ト長調)は、どこまでを「1つの組曲」とみなすか、また楽譜の指示通りに並べ替えるかによって「最後の曲」が3通りに分かれます。

  • オリジナル作品群の最後: 第12曲 Menuet(メヌエット)

  • 演奏上の実質的な最後(リュリ編曲群を含む): 第16曲 Chaconne de Phaëton de Mr. de Lully(リュリ氏の『ファエトン』のシャコンヌ)

  • 出版譜の印刷順での最後: 第17曲 2e Gigue(第2ジーグ)

17世紀フランスのクラヴサン音楽の慣習として、出版譜では同じ調性の作品が1つの大きなグループ(Ordreに近い形)としてまとめられています。1689年版のト長調グループ(全17曲)の印刷順は以下の通りです。

オリジナル作品群(舞曲組曲)

  1. Prélude(プレリュード)

  2. Allemande(アルマンド)

  3. Courante(クーラント)

  4. Double de la Courante(クーラントのドゥーブル)

  5. 2e Courante(第2クーラント)

  6. 3e Courante(第3クーラント)

  7. Sarabande(サラバンド)

  8. Gigue(ジーグ)

  9. Gaillarde(ガイヤルド)

  10. Chaconne en Rondeau(ロンド形式のシャコンヌ)

  11. Gavotte(ガヴォット)

  12. Menuet(メヌエット)

リュリ作品のトランスクリプション(編曲)および追加曲
13. Ouverture de Cadmus de Mr. de Lully(リュリ氏の『カドミュス』の序曲)
14. Ritournelle des Fées de Roland de Mr. de Lully(リュリ氏の『ロラン』の妖精たちのリトゥルネル)
15. Menuet « Dans nos bois »(メヌエット『我らの森で』)
16. Chaconne de Phaëton de Mr. de Lully(リュリ氏の『ファエトン』のシャコンヌ)
17. 2e Gigue(第2ジーグ)

なぜ「最後の曲」が分かれるのか

  1. 第17曲「第2ジーグ」の特殊な配置指示
    印刷譜のページ上ではト長調の掉尾(17曲目)に「第2ジーグ」が置かれていますが、楽譜にはダングルベール自身による « On la joue avant la Gaillarde après la 1re Gigue »(第1ジーグの後、ガイヤルドの前にこれを弾く) という注記があります。彫版のレイアウトや後から追加された都合で末尾に印刷されていますが、実際の演奏順序では第8曲と第9曲の間に挿入されます。

  2. オリジナル組曲とリュリ編曲の区切り
    ダングルベール自身のオリジナル舞曲だけで組曲を完結させる場合は、第12曲のメヌエット(あるいは規模の大きい第10曲のシャコンヌ・アン・ロンドー)で閉じるのが一般的です。一方、続くリュリのオペラ編曲群まで含めてト長調の全曲をひと続きに捉える場合は、壮大な第16曲『ファエトン』のシャコンヌが実質的なフィナーレとなります。

組曲ト長調の全体像や各舞曲の配置の流れを実際の演奏で確認するには、Jean-Henri D'Anglebert – Pièces de clavecin (Suite in G major)が参考になります。

謎のシャープ

ダングルベールの組曲ト長調のシャコンヌ・ロンドー、添付楽譜の最後の小節のバス声部に2分音符がある。 バス声部は第五線がファになるのでこの2分音符はシになる。 その音符にシャープが書かれている。 シを半音上げるとドになるが、そうすると直前の音と同じになってしまう。 実際に弾いてみる...